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香道について

香道とは

香道は、茶道、華道、能などとともに中世に誕生して一部上流階級の贅を極めた芸道として発展してきました。
なかでも香道は、希少な東南アジア等で産出される沈香などの貴重な香りを研ぎ澄まされた感性で判別するという独自の世界を構築しました。
香道は、香のもつ不思議な力と神秘性を鑑賞し楽しむ、精神性の高い芸道です。
  • 香を

    香道では、香木の薫りを嗅ぎ分けることを「聞く」と表現します。
    その特有な香気を聞きわけるのが、香道の第一歩です。
    たった六種ですから、その特徴をおぼえていて判別するくらいなんでもなさそうに思えますが、じっさいは同一種の香木のうちにも、香りの濃密さや持続時間などかなりの相違があります。
    できるだけ機会多くこれらの香木のかおりに触れて、経験的に分類法を体得していくことが、香道上達の道なのです。
  • 香を

    香木を熱することを「炷く」と呼びます。香を聞く会では、大変貴重な香木を必要最小限度に小さく切って炷きます。
    しかも強い熱で香を焦がさないよう、火種と香木の間に銀葉と呼ばれるうすい雲母の板をはさんで、熱を均一にして煙を立てずにその香気のみを観賞します。
    貴重なお香に敬意を払いながら、微細に霊妙な香りを味わうのです。
    このようにして香を炷き味わう技法は、日本の清澄な風土と細やかな精神によって、わが国においてのみ伝承してきたのです。

香りはすべて
六国五味りっこくごみの世界です

香の世界で
現在もちいられている香は、
六国五味という基準に照らして
分類されます。
  • 伽羅きゃら
    羅国らこく
    真南蛮まなばん
    真奈伽まなか
    佐曽羅さそら
    寸門多羅すもんたら

    六国りっこく

    六国とは香木の種類のことで、産地などから「伽羅、羅国、真南蛮、真那賀、佐曽羅、寸門多羅」の六つに分類するものです。
    この六種以外にも香りを出す木はありますが、香道でもちいる香木はこの六種に限定されています。
  • カライ
    アマイ
    スッパイ
    シオカライ
    ニガイ

    五味ごみ

    五味とは、かおりの特色を五つの味覚で表現したもので、「辛、甘、酸、鹹、苦」に分類されます。

聞香もんこう組香くみこう

香道は、 香それぞれの独特なかおりを聞いて味わって楽しむ会ですので、いつでも必ず幾種類かの香が準備されます。
その香木の香りを聞き、鑑賞することを「聞香」と呼び、
数種の香の異同を聞き分け、香当てする遊びを「組香」と呼びます。
  • 聞香もんこう

    お香席では、だされた香炉を左の掌の上にのせ、そして右の掌で香炉の上をおおうようにして、呼吸をととのえ、静かにその香を聞きます。それをつぎの人にまわし、一つの香炉のかおりを順に全員が鑑賞します。
    この様にして聞香の場は進められてゆきます。
    けれども香道は、香の薫りそのものを陶然として楽しむのが大事で、いわゆるお手前のむずかしい作法は、いわば第二義のことです。
    香道をたしなんでいるほどの人々の間には、いまだにその精神が失われてはいないようです。
    ですから、機会があれば、お作法を知らないことを遠慮したり、香の種類や香銘を知らないことを恥ずかしがったりしないで、進んでお香席に出席するとよいと思います。
    できる限り聞香の回数を増やすことが上達の道です。
  • 組香くみこう

    お香席では、まず、席主(せきしゅ)になる人が香木を小さく刻み、その一片ずつをひとつひとつ香包(こうづつみ)につつみます。
    香包はたたんでしまえば、外見はどれも同じで誰にも見分けがつかなくなります。そしてそれを香元(こうもと)がよく打ち交ぜて、順不同でひとつずつ香炉に炷いてゆきます。
    その香炉がつぎつぎに参加者にまわされて、順番にかおりを聞きます。全員聞き終るとめいめいが答えを用紙に記入して提出します。執筆が各人の答を記録紙に記録します。
    最後に香元が、実際に炷いた順に名前を読みあげます。各自の答と比較して各人のその日の成績がきまります。
    このような順序で、香を聞き、香を味わい、香をあてて楽しむのが組香の会の醍醐味です。それをより味わい深く楽しいものにするために、昔から種々の工夫と苦心が重ねられています。たとえば花月香、小草香、源氏香、住吉香、古今香、呉越香、六議香、四季香、月香、七夕香、歌合香などという題号にみられるように、和歌・漢詩や俳句、物語を主題にして季節や名所などのさまざまな風情をこの香当て競技に取り込んで楽しむことが考え出されたのです。
    今日の香道の集いといえば、主としてこの組香の会を指すのです。
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